痛みを相談したときに、
「年齢のせいですね」
と言われた経験はありませんか。
どこか突き放されたような気持ちになったり、
もう仕方ないのかな、と
少し諦めの気持ちが出てきたり。
そんな感覚を持つ方は、
決して少なくありません。
確かに、
年齢を重ねることで
体には変化が起こります。
筋力は少しずつ低下し、
細胞は無限に分裂できるわけではなく、
役目を終えた細胞は
自然に入れ替わっていきます。
人間は、
生まれた瞬間から
少しずつ変化し続けている存在です。
これは
怖い話ではなく、
誰にでも等しく起こる
とても自然なことです。
ただし、
ここで大切なのは、
年齢による変化=痛みの原因がすべて説明できる
わけではない、という点です。
同じ年齢でも、
- 痛みがほとんどない人
- 時々違和感を感じる人
- 強い痛みに悩んでいる人
がいます。
つまり、
年齢は「一つの背景」ではあっても、
それだけで痛みが決まるわけではありません。
年齢を理由にすると、
少し安心できる反面、
自分の体をよく見ることを
やめてしまうこともあります。
本当は、
- 動き方
- 生活のクセ
- 疲れのたまり方
- 心の余裕
そうした小さな積み重ねが、
痛みに関わっていることも
少なくありません。
ここで大切にしてほしいのは、
自分を責めることでも、
無理に若返ろうとすることでもありません。
「年齢だからしょうがない」
とすべてを諦めるのでもなく、
「まだ若いから大丈夫」
と無理をするのでもなく、
今の自分の体を、そのまま受け取ること
がスタートになります。
ケアとは、
体を修理することだけではありません。
今の体の状態に気づき、
少し労わり、
必要なら整えていくこと。
年齢を重ねたからこそ、
自分の体の声に
丁寧に耳を傾けることができます。
この「痛みとケア」では、
年齢や診断名だけで
話を終わらせるのではなく、
- なぜ今、痛みが出ているのか
- 体は何を伝えようとしているのか
そんな視点を
一緒に考えていきたいと思っています。
年齢を理由に
自分を切り捨てるのではなく、
年齢を重ねた自分を
少し受け入れる。
その先に、
無理のないケアが
見えてくるかもしれません。


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