退職届を出したあと、
私が選んだのは整形外科への転身でした。
逃げたつもりはありません。
ただ、
これまで学んできたことを、一度きちんと確かめたい
そんな気持ちが強くなっていました。
目次
学んだ技術の確認
病院時代、
私は多くの時間とお金を使って学びました。
- OMTの基礎・応用・アドバンス
- 解剖・触診・関節モビライゼーション
- 評価の枠組みや臨床推論
学習量だけを見れば、
決して少なくはなかったと思います。
整形外科に移ったことで、
保存療法の患者様を診る機会が増え、
初めて
学んだ技術を
最初から最後まで使える環境
に身を置くことができました。
その中で感じたのは、
- 効く技術もある
- 明らかに手応えのある介入もある
一方で、
- 思ったほど変わらない症例
- 理屈では説明できない反応
- 技術通りにやっても結果が出ない場面
も、確実に存在するという現実でした。
ここで初めて、
学んだ技術を過信していた自分
にも気づかされました。
足りない技術への渇望
整形外科での臨床は、
病院時代よりも自由度が高い分、
誤魔化しが効きません。
- 手術がない
- 時間が解決してくれるわけでもない
- その場の介入が、結果に直結する
だからこそ、
- なぜ変わらないのか
- 何を見落としているのか
- 本当にここが原因なのか
自分の引き出しの「足りなさ」が、
よりはっきりと見えてきました。
そんな時に私は、新しいテクニックを新しい概念を学びに行きました。
- Fascial Manipulation
- GAVILLAN
- MWM
- 側弯トレーナー
- 組織間リリース
- PRI
- 入谷式足底板
沖縄・滋賀・大阪・名古屋・千葉など全国を飛び周り有給がなければ欠勤で!!
そんな気概で、学んでおりました。
しかし、学べば学ぶほど、
「まだ足りない」という感覚が強くなる。
ただし以前と違ったのは、
その渇望が
焦りではなく、確認作業に近づいていた
という点でした。
現在のマインド
今の私は、
- 何かを「身につけた」とは思っていません
- 完成した技術があるとも思っていません
むしろ、
- 学んだことは仮説
- 臨床で使って初めて検証される
- 合わなければ、捨ててもいい
そう考えるようになりました。
整形外科に転身したことで、
私は
- 技術を集める姿勢
から - 技術を疑い続ける姿勢
へと、
マインドが変化したのかもしれません。
そして今は、
- できない自分を過度に責めない
- 分からない状態を早めに認める
- 立ち止まることも、前進の一部と考える
そんな距離感で、
臨床と学習に向き合っています。
転身は「答え」ではなかった
整形外科への転身は、
- 正解だった
- 失敗だった
そう簡単に評価できるものではありません。
ただ一つ言えるのは、
自分が何を学び、
何が足りず、
今どう在りたいのか
それを一度フラットに見直す機会にはなった、
ということです。
この考え方も、
今の私なりの仮説にすぎません。
それでも、
この転身がなければ、
今の視点には立てていなかった。
そう感じています。


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