2年目の出来事をきっかけに、
私の「学びたい」という意欲は、その後も下がることはありませんでした。
学びへの投資
マニュアルセラピー研究会から
日本運動器徒手理学療法学会へ入会し、
OMTの国際コースに参加しました。
- 基礎コース・応用コース
- 費用は約100万円
- 学習時間はおよそ500時間
- 有給は、ほぼすべてOMT
悩まなかったわけではありませんが、
決断はほぼ即決でした。
私は12期生。
北海道開催だったことは、正直かなり助かりました。
学習の日々
3年目のゴールデンウィークからコースが開始。
最初は触診でした。
理学療法の触診コースであれば、
2日ほどで終わることが一般的だと思います。
しかしOMTでは、
連日、触診です。
- 連休はOMT
- 平日は病院勤務
- そしてフットサル
今振り返ると、
非常に良いバランスだったとも感じます。
現場とのズレ
一方で、
私が勤務していた病院の実情はこうでした。
- 腰部・頸部・股関節・膝関節の手術が中心
- 外傷・脳血管疾患のリハビリテーションが主
- 保存療法での理学療法オーダーは少ない
私が学んでいたのは、
- 痛みを取りたいから学ぶ
- 痺れを取りたいから学ぶ
という領域でした。
しかし職場では、
術後リハビリが中心。
痛みといえば、術後の痛みです。
学んでも、変わらない現実
術後の痛みは、
理学療法士が「取る」ものではありません。
多くの場合、
時間が治してくれます。
新卒1年目、
そして学習を重ねた自分。
それでも、
急性期の経過は大きく変わらない。
自然治癒力のせいでもあり、
おかげでもあります。
私は悩みました。
- なぜ、痛みを取りたいのに手術前に介入できないのか
- なぜ、保存療法のオーダーが出ないのか
学習したのに、実践できない。
悩みは、むしろ増えていきました。
実践できないまま学び続ける苦しさ
その状態でOMTに参加し続けると、
- 何で知らないの?
- 何で実践しないの?
- 何のためにOMTに入ったの?
直接言われるわけではありません。
それでも、言葉にならない圧は確かにありました。
苦痛でした。
- 患者様のため
- 自分のため
そう思ってお金を払い、学びに行く。
それが、臨床で使えない。
そのまま次のOMTが開催される。
同期に揶揄される。
これほど苦しかった時期は、
今振り返ってもありません。
泣きながら帰った日々
大学から自宅へ帰る途中、
車の中で何度も涙を流しました。
正直に言えば、
今でも許せない、嫌いな人もいます。笑
それほどまでに、
追い詰められていました。
それでも、
悩んだままOMTを続け、
6年目にアドバンスコースを修了しました。
決断の瞬間
ちょうどその頃、
先輩が退職するという話を聞きました。
その先輩は、運営会議にも参加していた方です。
「このままだと、次は自分がその役割になる」
そう思った瞬間、
強い違和感が湧きました。
このままではマズい。
次の日、
私は退職届を出しました。
今、振り返って思うこと
この経験は、
- 努力すれば報われる
- 学べば必ず結果が出る
そんな単純な話ではありません。
むしろ、
- 学ぶほど苦しくなる時期がある
- 実践できない学習は、自分を削る
- 環境と学びが噛み合わないと、人は壊れかける
そのことを、身をもって知りました。
それでも、
この期間がなければ、
今の自分はいません。
臨床能力が向上しているという実感は、
うまくいっている時より、
最も苦しかった時期に育っていた
そう感じています。


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